TRAILの紹介
東大推薦 Advent Calendar 2022 22日目
はじめに
東大推薦アドカレという素晴らしい企画に深夜のノリと勢いで参加しました。ここでは私が所属するサークル、TRAILについて紹介します。技術的なことを深堀りするのは避け、いろいろな人に TRAIL の魅力が伝わるような記事にできればと思います。実はこの記事も、TRAIL のウェブサイト上に書かれています。
自己紹介
東大推薦界隈では有名なほうではないと思うので自己紹介します。
- 東大推薦 7 期 工学部学科群 3(計数工学科、機械情報工学科、電子情報工学科)
- このアドカレの発起人であるGraphiumと同じ
- 理科一類 1 年
- 高校時代はRoboCup Juniorに参加していた
- Twitter: @Tuna_San_
TRAIL ってなに?
TRAIL のトップページを引用します。
TRAIL (Tokyo Robotics and AI Lab) は東京大学松尾豊研究室のサブグループです. 実世界での知能の実現を目指して,ロボット学習を中心とした研究開発活動を行なっています.
メンバーを見ればわかると思いますが、松尾研究室のメンバーが多く在籍しています。松尾研究室はディープラーニングの基礎研究を行っていますが、TRAIL はそのロボティクスへの応用に関する研究開発を行っています。
松尾研究室のサブグループという扱いですが、新歓で学部 1 年生のメンバーも募集しています。実は新歓は今年度(2022 年度)から始まりました。そのため、後述する RoboCup@Home のチーム運営や、外部交流の企画、広報活動なども学部 1 年生が中心となって行っています。TRAIL の 1 年生は興味が様々で面白い人たちです。
現在は、2023 年 7 月にフランスのボルドーで開催されるRoboCup 2023への出場と入賞を目標に活動しています。2023 年 3 月に開催されるロボカップジャパンオープン 2022にも参加する予定です。
RoboCup ってなに?
RoboCup については、ロボカップ日本委員会のホームページの記述が非常にわかりやすいので引用します。
ロボカップは、ラジコンのような人の操作によって動くロボットではなく、自分で考えて動く自律移動型ロボットによる競技会です。
「ラジコンのような人の操作によって動くロボット」ではない点が、大学ロボコンとの大きな違いです。ちなみに、東大からはRoboTechが大学ロボコンに参加していますが、RoboTech と TRAIL を兼サーしているメンバーも複数います。
また、ロボットが実社会に応用されたシチュエーションが競技になっているというのも重要な特徴です。例えば、RoboCup Rescueでは、人が立ち入ることができない災害現場を模したフィールド上で競技が行われます。
さらに、RoboCup はロボット研究開発のコミュニティとしても機能しています。大会中には、競技だけでなくポスターセッションも開催され、参加者同士の交流も盛んにおこなわれています。
RoboCup@Home ってなに?
RoboCup@Homeは、RoboCup のリーグの一つです。その名の通り、家の中をフィールドとしたリーグで、部屋を片付ける、朝食を用意するといったタスクの得点を競います。
サブリーグは 3 つあります。TRAIL が参加するのは DSPL です。
- Open Platform League (OPL)
- ハードウェアに制限がない
- Domestic Standard Platform League (DSPL)
- トヨタ開発の HSR (Human Support Robot) を使う
- Social Standard Platform League (SSPL)
- ソフトバンク開発の Pepper を使う
HSR はこんなロボットです。かわいいですね。
今年度の TRAIL の活動
- Roomba Hack (4 月~夏休み)
改造されたお掃除ロボットの Roomba を使ってロボットの制御を勉強しました。TRAIL の先輩方による講義と演習が週 1 で開かれました。最終課題として、グループに分かれて、RoboCup@Home のルールをベースにした簡単な競技を行いました。資料とリポジトリも公開されています。
- RoboCup@Home(夏休み~現在)
Roomba Hack 終了後は RoboCup の活動が始まりました。RoboCup@Home の世界大会に出場できるチームの数は限られています。出場するためには、チームの技術を紹介する資料を提出し、出場資格を得なければなりません(実は日本大会は世界大会の予選ではなくオープン大会です)。11 月末の締め切りまでは、班に分かれて資料の作成をしていました。提出した資料はこのページから見られます(このページ自体も提出物です)。
外部交流
今年度は TRAIL 外での活動も行いました。
- 玉川大学岡田研究室を訪問
- RoboCup@Home の常連チームです
- 第 40 回日本ロボット学会学術講演会 (RSJ2022) にスタッフとして参加
- 今回は東大本郷キャンパスで開催されました
- HSR コミュニティ総会に参加
- 先輩が発表し、ベストポスター賞を受賞しました
【HSRを利用する国内全研究機関が集うHSRコミュニティ総会にて、松尾研がベストポスター賞を受賞しました】
— 東京大学 松尾研究室 (@Matsuo_Lab) November 23, 2022
「データドリブンなサービスロボットシステム開発:AIのラボからロボティクスへ」というタイトルで最近の松尾研の研究開発やコミュニティ形成に関して紹介しました。https://t.co/8hiOKrWQZD pic.twitter.com/4e3LtimwjD
- 玉川大学岡田研究室を訪問
これからの TRAIL の活動
今後は、2023 年 3 月上旬に開催されるロボカップジャパンオープン 2022 に参加する予定です。現在は先輩方の助けを借りながら、技術の習得や戦略の検討に取り組んでいます。
記事投稿時点ではまだ審査結果は発表されていませんが、出場資格が得られれば 2023 年の 7/4~7/10 に開催される RoboCup2023 にも参加します。1 年生主体のチームとしては出場できるだけで快挙だと思っていますが、出場できるなら入賞も狙っていきます。
TRAIL のここがすごい!
- 研究室のリソースが使える
TRAIL は松尾研究室のサブグループなので、ロボットや高スペックの開発用 PC がたくさんあり、それらを(使っている人がいなければ)自由に使うことができます。また、ロボティクスを専門に研究されている先輩方のサポートも得られます。学部 1 年生が参加できるプロジェクトのなかでこれほど恵まれた環境はほかにあまりないのではないでしょうか。
- メンバーの熱意がすごい
メンバーのみんなの熱意には圧倒されるものがあります。特に提出物の締め切り前は鬼のコミットとそれによって限界を迎えた人々が観測されました。高校時代からがっつりロボット開発をしていたメンバーもいれば、プログラミングの経験がなかったメンバーもいますが、全員が全力で取り組んでいて、私自身は多くの刺激を受けています。
おわりに
以上、TRAIL についてご紹介しました。TRAIL はこれから大会に向けてさらに活動が活発化していきます。応援していただけますと幸いです。
また、TRAIL では常時メンバーを募集中です。ご興味がある方は robocup@weblab.t.u-tokyo.ac.jp またはお近くの TRAIL メンバー(よく Twitter をやっている)までお問い合わせください!